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不忍ブックストリートの50冊~その1

2005-10-17

※「不忍ブックストリートの50冊」で私が選んだ本の紹介です。経緯はこちら。

主催の往来堂書店店長のブログに、このフェアの売上が出ているのですが、お陰で『タモリのTOKYO坂道美学入門』が出ているものの、『立喰師列伝』が1冊も出てない(と思う)!?
自分なりに、欲しいけどなかなか書店で見かけないし、ついネットで注文し損ねてしまう本でまとめてみましたが、都内の大型書店以外、オタク系の書籍を扱っている店舗の一部でもまず並ばないであろう『立喰師列伝』を並べる、というのが楽しみの一つでもあったので、その想いは完遂したのですが、売れないというのは淋しいものがありますね。

立喰師列伝フィクションなんですけど、もうひとつの昭和というか、自分の中での食に対するスタンスがつまっている気がします。
自分の食べ歩きの原点は、父親にこっそり連れて行ってもらった車通りの行列の出来るこってり味のコ汚いラーメン屋。もう20年ほど前の話で、今日とは違い、ムサイ男どもが背中を丸めて丼に顔を突っ込んで一心に喰らっている、そんな世界があちこちにあって、今みたいに女性客が皆無に等しかった時代です。
池袋駅地下にあった立喰フードパークともいうべき「スナックランド」など、経験者ではないけれど闇市的なテンションがなんだか残っている世界があったのですが、バブル以降かな、汚いものとして街角からどんどん消えていきました。
衛生的にみても時代の移ろいの中に消えていくべき存在だったのかもしれません。しかしそうした中に落ち着きを見出せる人種もいたわけで、あの頃、背中を丸めて一人、居場所を求めて集まった人たちはいったいどこに行ったのでしょう? 自分が食べ物のブログを通して、現在、一部の大衆食堂にその人影を見出しているのですが、あの頃あの場所にいた人数を全て収容できるキャパはありません。行き場をなくした人々は今なお、居心地の悪い思いをしながら、現状に我慢しているはずです。
人ごみにまみれながらも、孤独に映るあの背中。人に寄生するかの如く従うことで生き延びてきた犬にあって、なぜか孤独を感じさせる犬の背中を思い出さずにいられません。そして丼に顔を突っ込む感じも。
著者の押井守は一時よく「道端で飯を食う」という表現を使っていました。いくら偉くなっても立ち食いそばが食えなくなったようなヤツは信用できない、といいた意味の発言からも伺えるように、本著から、自分がかつてみたあの人影、あの背中が浮かんできます。犬食い(犬を食うわけではない!)というと行儀の悪い食べ方のようですが、隠れるようにしながらも、そんな風景が当たり前だった時代があったわけで、そこになにか、みんな人前では体裁よく繕っているけれど、人が飯を食うことの隠しきれない、殺生とかを含めた在るべき姿のような気がしてなりません。隠すのではなく、認め、いつでも有事か何かの時には帰れる覚悟をしておく気構えをするのも悪くないと思います。

あの頃の犬たちへ。
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